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75話 告げられた真実と、周囲の誤解

Auteur: みみっく
last update Dernière mise à jour: 2025-09-07 07:00:26

兵士たちも、ようやく緊張から解放され、  それぞれの持ち場に戻りながら、ほっとした表情を浮かべていた。

――ようやく、嵐は過ぎた。

そして、馬車の準備が整い、  ユウヤはミリアを抱いたまま、ゆっくりと歩き出した。

「うぅぅ……わたしも寿命が縮みましたわ……」

ミリアは、ユウヤの胸に顔を埋めたまま、  小さく、けれど本気でそう呟いた。

「え? ミリアが?」

ユウヤが驚いたように聞き返すと、  ミリアム王子の眉がぴくりと動いた。

――この会話は、まずい。

ミリアムは即座に先を読み、  これ以上“甘々な空気”が続けば、兵士たちの精神が保たないと判断した。

そして、すかさず声を張り上げた。

「ここに兵を留めておくのは、王都の警備に支障が出る。  よって、解散を命ずる!」

その言葉に、兵士たちは一斉に敬礼し、  安堵と共に速やかにその場を離れていった。

ユウヤは、ミリアムに向き直り、頭を下げた。

「ええ、ご迷惑をお掛けしました」

そして、周囲に向けても一言。

「皆に迷惑を掛けたようで、悪かったね」

ミリアムは、苦笑を浮かべながらも、静かに頷いた。

「お二人とも、婚約者同士なのですから――仲良くお願い致します」

それだけを言い残し、彼もまた兵たちと共にその場を後にした。

その背中には、どこか“やれやれ”という疲労と、  “ようやく終わった”という安堵が滲んでいた。

そして――

「当然ですわっ! 婚約者同士なのですからっ♡」

ミリアは、ユウヤの腕にしがみつき、  満面の笑みでそう言った。

「ですわよねっ♪ ユウヤ様っ!」

その笑顔は、まるで太陽のように明るくて、  ユウヤは思わず目を細めた。

「ああ……心配ありがとう。そうだよな、ミリア」

「はいっ♡」

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